黄金色の日々

海外ミドルエイジ俳優を愛でたり、雑多なブログ

クレイヴン・ザ・ハンター

 

兄弟萌えの人は見に行くべし


お久しぶりです。とんと映画離れしてましたが、
アメコミ映画『クレイヴン・ザ・ハンター』見てまいりました。
マーベルコミックの、スパイダーマンヴィラン(悪役)。MCUマーベル・シネマティック・ユニバース)とは別の、ソニーが管轄するSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)の作品です。
主演のアーロン・テイラー=ジョンソンは昔から好きな俳優。

あまり評判がよろしくなく、「退屈」「悪くはないが平凡すぎる」「過去シーンが長すぎる」等々。かなり言われている。

はえらいこと面白かったですが、なにか?

終演後、シネコンエスカレーターの前に年輩のお父様と息子さんがいて。お父さん曰く。
「いやあ、映像はすごい。日本じゃできないねえ。でも話がよくわからんねえ。難しい」

もっとすごい映像の作品はいくらでもある。
話はごくわかりやすい。

と思うんだが(個人の見解)

YouTubeなどで映画サイトの感想見ても、「何を見せたいのかがはっきりしない」と言ってる人もいた。
え、わかりやすくないか!?

父と息子、兄と弟のシンプルな愛憎劇

そうとしか見えない私は、ただのスパナチュ脳です。

アメコミでゴッドファーザーをやろうとしたという感想もあった。そんなに壮大なものかはわからないけれど。
正も負も合わせた『伝承』がテーマだととらえたので、ええ、私の領域です。

 

『クレイヴン・ザ・ハンター』日本版予告 12/13(金)日米同時公開!<予告3>


ナレーションを聞けばお分かりの通り、スーパーナチュラルのカスティエル役、みんな大好き津田健次郎氏。
吹き替え版でクレイヴンの声をあてています。
クレイヴンなら東地さんも良かった気がする。


ネタバレばかり。前半、兄弟萌え特化。後半、やや真面目感想。

強くて弟想いの兄。父親の期待を一身に受けている。
華奢でアーティスト肌、父親の「間違い」で生まれた腹違いの弟。
公式に提示された兄貴の弟への『溺愛』ぶりは、誇張ではございませんw

ライオンの遺伝子と呪術的な何かで超人的能力を得たセルゲイ(本名)
なんでそんなことに…ってのは映画を見てください。アメコミ何でもアリです。
瀕死の彼を助けて、その力を与える役目をする女性カリプソは、ヒロインではありません。

ヒロイン役は弟ディミトリ。

とんだ姫ポジなので、攫われます。おにやん大激昂(公式より)

<弟を奪還せよ。ロンドンで獅突猛進!>『クレイヴン・ザ・ハンター』本編映像 大ヒット上映中!



正直笑いました。突撃すぎる。まあライオン丸(古)だからね。

ラッセル・クロウ演じる闇組織のボス的な父親は、絵に描いたクソ親父。
長男、能力を得てから反逆し、家出。
弟の「一人にしないで」という懇願も、すねて「さっさと行けばいい」という突き放しも、哀しく流し。
「いつかまた、会える」

その後、弟とは連絡を取り合い、誕生日には祝いに行っている兄。

兄(シベリア住)、弟(ロンドン在住)

クレイヴン、腕っぷしだけの脳筋でもなく、ハイテクや人も使います。
にしてもさあ。

基本真面目ですね。セルゲイ。
ハイティーンにしてInto the Wildしたせいか、バンバン殺す割には律儀で、やや中二。
父親に、弟は「穢れてない」と申しますが、弟に夢見がちなのは、どこぞの兄と同様です。
カリプソ姐さんにも、頼まれもしないのに陰でやべえ恩返しをしていて、初対面時に「俺がやっといた」(殺〇)と報告。
「順番…」みたいな目のカリプソさん。

超高層ペントハウスに外からひょいのひょいと這い登り。
シャワーしてて出てきた弟を「サプラーイズ!」 懐に収めてぐちゃぐちゃする。

“弟が命の兄貴”に慣れている私でも、このシーンには目をむいた。
おまけに『ハピバースディ、ベイビィブラザー』ゆうてました。
同じパブリックスクールに行ってたし、子供時代を見ても3~4個しか離れてないと思うんだが。
ムッキムキになった兄と華奢な弟の体格差は萌えしかなく、姫御前な弟を愛でるセルゲイの気持ちはわかりみしかない(兄属性)

アメコミファンは、もっとアクションシーンを増やし、ありきたりの家族紛争シーンを長々やるのは辟易みたいですが。
私はお得意なので味わいつくしました←

しかしお決まりのパターンで、弟は父に期待されてきた兄にコンプレックスがあるわけですよ。
その点で、『マイティー・ソー』のソーとロキの兄弟の方に似ているけれど。
ディミトリは父とメイド(?)との間の子で、セルゲイとは異母兄弟。小柄で荒事に向いてない。
自分も強くなりたい、クソ親父でもやっぱり認められたい。その気持ちが強い。
自分を大事にしてくれる兄ちゃんが好きではあるんだが、対等になれないことに忸怩たる思いがある。
『グラディエイター2』でカラカラ帝を演じたフレッド・ヘッキンジャーが、か弱げに見えて内面の情の強さを見せて良いです。

ラッセル演じる親父ニコライは、妻(セルゲイの母)が自殺しても「心が弱いからだ」と言い。
ディミトリの母親は影も出てこないけど、下女に手を付けてしまった的なことを抜かす。
わかりやすいマッチョイムズと男尊女卑、家父長制の権化。

だがしかし、煮ても焼いても食えぬしたたかさと、身勝手ながら息子たちへの彼なりの愛情も感じさせ、さすがラッソは上手いです。
怒りに吠えてる時はデカいクマだが、むしろ優し気に息子たちに囁くとき怖いよ!

預言者の血筋のカリプソに、「業(カルマ)からは逃げられない」と言われたセルゲイ。いきがって見せても、父親の「おまえは弟を見捨てたが、私は見捨ててない」という言葉に言い返せない。
ディミトリにも、「僕の誕生日に来てくれるのは、パパのところに置き去りにした罪悪感だろ」と言われてしまう。

動物や人を苦しめ、殺傷して富を得る父親の家業を継ぐのが嫌だったが。普通の身体なら拒否できなかっただろう。
超人能力を手に入れて家を出たけれど。弟がもう少しでも強靭な心身を持っていたら、一緒に連れて出ただろうが。
あの父親のもとに置いて出るしかなかった。
家族から物理的に離れても、繋がりも業も断ち切ることはできない。

面白くも哀しいのは、兄弟がどちらも相手のことを『清廉潔白』だと思っていたこと。
あんな父の元でも、歌やピアノが得意で、穢れなき可愛い弟。
自然の元で動物と生き、汚い世界から離れた、野生動物のような純な兄。

互いにそう思っていた。
父親に認められたくて、彼の言動に気を配っていたディミトリは、『ファミリービジネス』にはまだ関与していなさそうだったが。
″男らしくない”、歌やピアノをさせてやり、店を持たせてたのは父親。
あのバーは十中八九、裏家業のマネーロンダリングのための店。闇取引の会合も見てきたはず。
ニコライは、次男をそちら方面で育てていたと思う。
なのに、幼い頃のままの可愛いリトルブラザーを信じているセルゲイ。

兄は自分と違い、クラヴィノフの闇から出たと思っていたのに。父の裏家業にかかわった動物乱獲業者やギャングやすべてを、ターゲットとして殺していた。
都市伝説となっていたハンター〝クレイヴン″と、誘拐された相手に教えられるディミトリ。

だいたい予想着く通り、弟はラスト闇落ちします。
ショックと傷心の兄。
そのあと、父親が残したベストと手紙を受け取り、着た姿を鏡に映しポーズをとる。
トレイラーにもチラシにもある、カッコ良いシーンは厨二だったんかよ!!
と、誰もが突っ込むやら笑うやらしたでしょう。私もだ。

だがね。
後で気づいた。あれは、あそこでセルゲイも闇落ちしたんだと。

ディミトリは兄のしていたことを知り、その後に父親を殺したことも気づいた。
憎みながらも認めてほしかった父を失い、死なせたのは人を傷つけたりしないと思っていた兄。
父は兄には言葉と形見を残したのに、最後まで自分にはなかった。
自分は家族を裏切らなかったのに。
父の残した権力と富が目の前にある。
いつまでも庇護対象と思っている兄に思い知らせるとき。今度は僕の番だ。

自分を利用して地位を守ろうとした父。それ以上にディミトリを危険にさらした。
お前が弟を守るとわかってたと言った父。だが次男がいなくなっても、上の息子がいればいい。そういう父だ。
セルゲイにとって、父だけは見逃していた親子の情もそこで切れた。
しかしその弟は、押さえつけていた父を失くして、逆に自分への憎しみと権力欲に目覚めてしまった。

能力の元になったザー(ライオン)の毛皮を身に着けた時。
セルゲイは、自分の中にも息づく『より強いものを狩る』欲求を自覚した。
「伝説を殺した者が伝説となる」父親の言葉は自分に影響しなかったか?
悪人だけを狩るなどというお題目は通用しない。父はそれを知っていた。
あの手紙とベストは、セルゲイが自分の元に帰るか、さもなくば息子に殺されるかを予期して用意していたのだろうし、それを知ったディミトリの向かう先もわかっていたと思う。

父の手の上で転がされていたことに気づいたセルゲイ。

おのれの中の忌まわしきクラヴィノフの血。それも受け入れざるを得ない。
兄はより強いものを狩り続けるハンターの血を。
弟は権力欲と支配欲の血を。
兄弟は分けて受け継いだ。

ダークヒーローではない、ヴィラン
その『クレイヴン』の誕生のオリジンだったと感じましたね。

お世辞にも名作とは言えないけれど、私にめっちゃ刺さりました。
兄弟が父親の資質を半々に受け継ぐって、あたしのための話だろこれ(盲信)
基本的に突っ込みどころは絶え間ないし、敵役(ヴィランヴィランて)は相当トンチキです。
どういう性癖?みたいなおっさんばかりw
しかしアーロン・テイラー=ジョンソンがイケ散らかした顔と芸術レベルのバッキバキ肉体で、
弟萌え
5億点位加点されます。

兄弟萌えにはお勧め。『スーパーナチュラル』を見慣れている層なら、トンチキな敵も、父と兄と弟でグルグル回ってる基本も受け入れるでしょう!
R15+指定で、バイオレンス&血しぶき描写ありますが、ほとんど瞬間芸です。

アーロンは、世間では「あのキック・アスのひょろ坊が」「クイックシルバーヴィランに!」とか言う声が多いですが、私は彼の12歳でのデビュー作『トムとトーマス』の海外版DVDを持っていた女。
双子(2役)の父親役がショーン・ビーンで、彼目当てでした(笑)
子役の頃から芸達者で、その後『ノーウェアボーイズ ひとりぼっちのあいつ』のジョン・レノン役も良かったし、20歳そこそこで、23歳年上の監督と結婚したのには仰天したものです。
今や34歳で実子、妻の前夫との娘と4人の娘のイケパパに。
超売れっ子で、次のジェームズ・ボンド役も噂されているけれど。意外と王道な役より亜流を選ぶのが好きな気がする。『ブレッドトレイン』のタンジェリンとか、良かったわ。

SSU作品はヒットに恵まれず、今作も公開と同時に酷評やら「爆死」と銘打った動画や記事が溢れている。
感想は個々の好みによるものだけど、有象無象のトウシロのYouTuberが爆死とかほざくのほんと嫌いでね。
映画関係者、ファンならわかるが、おめえに何の関係があるっつうのか。動画閲覧数アップのためだろ。
スパイダーマンユニバースと歌いながら、ずっとスパイダーマンが出てこなかったことも、集客に影響した模様。
大人の事情が混み入っているためですが、私は別に気にしません。スパイディに思い入れがまったくないため。

年末年始の忙しさの中でも、突っ込み入れながらイケメンと兄弟萌えを楽しめる層にお勧めします(笑)


今年はなんと、映画を3本しか見ておりません。映画に興味がなくなったわけではないんですが。
生活サイクルを替えて、日が落ちる時刻は自宅にいる。夕方以降映画を見ることはなくなり、選べる時間帯に行けないことも多く、すっかりご無沙汰です。


映画感想はもう無理だと改めて思いましたが。
来年はもう少し映画館に行きたいものだ…。